About the Author

元国立大学附属中高教員。心を育て、人と人をつなぐ教育プログラムを開発・実践。
2019年に渡米し、アメリカでNozomi Music Schoolを開校。
頭も体も心も、子どものもつ可能性を最大限に高めたい!!

心の持ち方の話。コップ一杯の水を、こんなに入っていると考えるか、これだけしかないと考えるかーは、有名な話です。事実はひとつだけれど、見る方向や気の持ち方によって、千差万別に見える不思議。親の思考は、自然と子どもも受け継ぐものです。毎日のあれこれに対して、感謝して過ごすか、不平不満を抱えて生きていくか。私が授業で話してきたことと、家の中の話です。

大変な育児?

待ち望んでいた待望の赤ちゃん。

だけど、産まれた喜びもつかの間、一日がミルクをあげることと、おむつを替えることで終わっちゃう。

黄昏泣きに、夜間の寝かしつけ、毎日睡眠不足で、自分の食事やトイレさえ思い通りに行動できない。

少し成長しても、魔の三歳児が待っているし、やっと迎えた小学生では、小1の壁。

ここ最近、小4の壁という言葉も初めて知りました。

その先には思春期が待っているし、何だか常に辛い時期を乗り越えていくような?


私が双子を育てている時、たくさんの人に助けてもらい、優しい声を掛けてもらいました。

「大変だね。もう少し経てば楽になるからね。」と。


そして、頻繁に、こういう声掛けもされていました。

「お母さん余裕そうに見えるわ。すごい!」と。


確かに、赤ちゃんは寝ないし泣くものだと思っているので、確かにあたふたすることは少なったような。

きっと、双子であることから、泣き止ませる努力を早々にやめて、いきなり貫禄たっぷりの母になれたのかも。


フルタイムの仕事をしている時も、よくこんなことを言われていました。

「小さい子ども三人抱えているなんて、全く想像できない!」と。


両立は確かに大変だったけれど、私にとっては、家の外で自由に働ける時間=自分の時間のようで、とにかく仕事が楽しくて仕方なかったのです。

小さい頃は、車もなく、どこへ行くにも電車やバス、徒歩のみ。風が吹いても雪が降っても、足さえあれば進める!

育児から得られるもの

ふにゃふにゃで柔らかくてぷくぷくのほっぺの赤ちゃん。

初めて笑顔になってくれた時は、もう「かわいいいいいいいいいいい!!」と母性全開です。

初めて離乳食を口にした瞬間、寝返り、ハイハイ、そして言葉を話し、意志を伝えるようになってきます。


記憶力の悪い私が、今でもはっきり覚えているシーンがあります。

よちよち歩きで、数歩ずつ進めるようになってきた双子を連れて、出かけた時のこと。

当然別の方向に進んでいくので、夫に、「手を繋いで!」と頼み、ふと気付くと、四人で手を繋いでいました。

進んだのは、たった数歩でしたが、初めて夫、子どもと四人で手を繋いで歩いたこの光景が忘れられません。


幼稚園や保育園に行くと、毎日手紙やプレゼント(葉っぱや石)をくれるようになります。

誕生日や記念日に、子どもが指輪やネックレスをプレゼントしてくれたのは、今でも大切にしています。

参観や懇談など、小学校のイベント時には、これを付けて学校に行ったものでした。


もっと大きくなると、行事などを全力で頑張っている姿を見て、感激することも増えてきます。

何かに一生懸命頑張り、賞状やメダルとして結果が形として見えることも出てくるでしょう。

思いきり笑って泣いて、毎日を全力で生きることを繰り返すことで、一緒に成長していけるような気がします。

どちらに目を向けるか

育児をしていると、どちらも事実です。

私だって、理由は忘れたけれど、いつまでも泣き叫ぶ二人がしんどくて、部屋を閉めて泣いた日もありました。

だけど、ほとんどの子育て記憶は、面白いシーンばかりが思い出されるのです。


わずか10cmのベッドマットから落ちて泣いている姿。

おしりを見せ合って喜んでいる双子。

赤ちゃんの妹に、これでもかと家中のおもちゃを持ってきてあげる二人のお兄ちゃん。

お父さんが大好きで、お父さんの片膝をつくポーズを必死で真似する娘。


確かに、人の不幸や愚痴のほうが、周囲の目は集まりやすいものです。

こういった育児のマイナスな部分を発信しすぎることが、(私たちもマスコミも)少子化の一因になっているような気さえしてきます。


だけど本当は、育児って、こんなに楽しくて、この上ない幸せをもたらしてくれるものです。

そして、私たちを本当の意味で人として成長させてくれます。


どちらから物事を見るかによって、私たちの気持ちや行動は大きく変われるのです。

妹に家中のおもちゃを持ってきてあげるお兄ちゃん。今でもよくケンカをするけれど、優しいところに目を向けてあげたい。

子どもと一緒に思考を育てる

私もイライラすることはあるし、子どもも、成長してくると怒りを全身で表してくるようになります。

(素直に表現するだけ、子どものほうがマシかも?)


そういう時、私は、言葉を替えて何度も伝えます。

「今、ooで嫌な気持ちになってるんだよね。だけど、そういう態度を取られると、こういう気持ちになる。」

「もし、お母さんに、こうしてほしいと思うことがあるなら、きちんと言葉でお願いしてほしい。」

「嫌な気持ちになってるなら、お母さんのギューで消してあげられるよ。」

嫌なことがあったときの対処方法を、一緒に色々試してみるのです。

一緒におやつを作ってもいいし、体を動かしてもいい、時に一人になりたいこともでてくるでしょう。


嫌なことがあった時は、どうすれば、自分で癒すことができるのか。

もし、家族が助けられることがあるなら、全力で受け止める準備があるということを伝える。

心が落ち込んだ時、どうすればもう一度上を向くことができるのか。

今は頑張り時なのか、休憩が必要なのか、こういう心との対話は、勉強以上に大切な教育だと思います。

子どもが興味のあることを、とことん挑戦させる。繰り返し頑張れる力を育てること、とても大切だと思います。

附属校で伝えてきたこと

附属で中学1年生に、授業で伝えてきたことです。


『暑い、寒い、あの先生ムカつく、あいつ嫌や、親が腹立つ。』


こんなことをよく言っている子の顔が浮かびますか?もしかして自分かな?

毎日、不平不満なんて、探せばいくらでもあるけれど、その思考で、自分自身は幸せか?

日々の生活で、少し意識を変えるだけで、同じ毎日でも、違って見えてくるはず。


『暑いから冷たい食べ物が美味しい、寒いけど毛布が幸せ、あの先生魅力的、ごはん作ってくれて感謝。』


こう言っている子の表情はどんな顔?

将来どんな顔の自分になりたいかな。

今は、親からもらった顔の印象が強いかもしれないけれど、顔は、自分で作っていくもの。

いつも怒っているおじいちゃんおばあちゃんになりたい?

笑顔のしわがたくさんあるおじいちゃんおばあちゃんになりたい?

どちらが人として惹かれる?どちらが魅力的?

結局は、自分の気持ちの在り方で、全ては決まってくるよ。


文句言って過ごしている子の周りには、同じような思考の子が集まる。

大変な中でも、色々なことに頑張って、一生懸命生きてる子の周りにも、同じような思考の子が集まる。

どんな自分になりたい?

全ては自分次第なんだよ。

ここから、世界を変えようと子どもと誓った音楽教室。ありのままの自分をさらけ出せる場所を目指しました。

嫌なことがあった時の言葉掛けは?

「あー、明日はooがあるから、学校嫌やなー。」


この言葉に対して、どんな返答が考えられますか。

「分かる!嫌やんね。そういう時お母さんもあったわー。」という共感?

「本当に毎日よく頑張ってるね。終わったらお疲れ様会しよう!」という励まし?

「ooもあるから、楽しいこともあるよ!」という着眼点の変化?


その答えは、その子どもを一番よく知っている親が、子どもを想って判断すれば大丈夫。

毎日、いいこともそうでないこともたくさんあります。

「大丈夫、見守っているよ。」と、愛情が常に伝わり続ければ、たいていのことは乗り越えられます。


ここは、もうちょっと頑張って乗り越えるべきところ?

今は、ちょっと休憩させるべきところ?

子どもに目を向けて(監視ではなく!)、子どもの心を感じ取りながら、手を差し伸べてあげましょう。

親の思考が子どもの思考を作る

子どもの思考を作るには、親の思考はとても大事です。

三者面談をすると、外見も身振りも、話し方の癖も、そして思考も、驚くほど親子はやはり似ています。


教師をバカにする子どもには、人を敬う気持ちがない親

教師を信頼する子どもには、人を受け入れてくれる親


いつもムスッとしている子どもには、不満顔の親

笑顔の素敵な子どもには、穏やかな親


いつも好き勝手、自分のことが一番で生きてきた私ですが、子どもには本当に育てられました。

子どもにこうなって欲しいと願うなら、まずは自分がそうならなければなりません。

ひとつしかない現実に対し、どういう方向から、どういう目線でそのものを捉えるか。

まずは、私たちが、普段どう考えているかが、子どもの思考を育てる一番大切なところです。


「こうしなさい。ああなりなさい。」と言う前に、自分がそうあれば、自然に見て育つはずです。

三人の子どもは、それぞれ得意なものも苦手なものも、性質も異なります。それぞれの良さを引き出すことが目標。

明るい我が家

人の家の中をじっくり長時間観察したことがないので、比べてどうこうは言えませんが、我が家は明るいです。

人の出入りはかなり多い方だと思うし、お客様もみんな一緒に、楽しく機嫌よく生活しています。

私の特技は、笑い飛ばすこと。

あまり深刻に考えたり悩むことがそもそもないので、お気楽に「ははっ!」と笑っておしまい。

夫の魅力ある一言は、「パーティーや!」と、家を明るくしてくれること。

子どもが、何か小さないいことがある度、「パーティーやな!」と、乾杯してお祝いしようとしてくれます。


子どもが、大変なことを抱えていたり、悩んだり、何かに落ち込んでいる時もあります。

私は、「だいじょーぶだいじょーぶ!」と深刻に捉えず、

夫は、乗り越えた時に、「よくやった!パーティーやな!」と労ってくれます。

これがみんなに効くわけではありませんが、それぞれに前向きなエネルギーをもつ方法を見つけることは大切。


夫は、「全ては自分の選択だ。」とも、よく子どもに話しています。

「学校行きたくない。」と子どもが言った時には、「よし、辞めて起業やな。」と。

かける言葉も持っていき方も、その人その時その状況で様々だけど、心の在り方次第で、どうにでもできる。


自分の心に真っすぐ向き合って、自分がハッピーになれる選択を。

毎日の選択の積み重ねが、将来の自分の心を創ります。

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