About the Author

元国立大学附属中高教員。心を育て、人と人をつなぐ教育プログラムを開発・実践。
2019年に渡米し、アメリカでNozomi Music Schoolを開校。
頭も体も心も、子どものもつ可能性を最大限に高めたい!!

ワンオペがつらい!親が近くにいない!夫が協力的でない!家事代行なんてお金払えない!

誰しも一度は、育児が大変すぎて、誰か手伝ってー!と願ったことがあるのではないでしょうか。

私が双子を授かった時、それまで激務のフルタイムを持っていたため、近所に友達もいませんでした。

夫は協力的ではあるものの、海外出張やお付き合いもあり、双子なこともあって、猫でも犬でもいいから、常に手がほしい。

そこで私が考え出した?方法をシェアします。

「そんなのアリ?そんなことやってもいいんだ。」とあらゆる可能性に気付いてもらえたら嬉しいです。

お手伝いママの誕生

私はそもそも動き回りたいタイプ。家でずっとおしゃべりできない子どもといると、どんよりしてきます。

毎日のようにベビーカーに乗せて散歩したり、マンションのキッズルームで遊んだり、よく出掛けていました。


双子ということもあって、近所の人は、優しく声を掛けてくれます。

特に、お母さん世代やおばあちゃん世代は、

「まぁかわいい!だけど大変でしょう。そのうち楽になるからね。今が一番いい時よ。」

と労いの言葉を掛けてくれます。


そして午後になると、双子に群がってくるのは、学校帰りの近所のお姉ちゃんたち。

そう、小学生です。

「双子ちゃんやー!かわいい!楽しそう!お世話したい!」

それを聞いた私は、間髪入れず、0.3秒後には

「して!」

と圧をもって答えていました。

かわいい。確かにかわいい。だけど、ごはんやおむつやお風呂や、朝から晩まで一人じゃ本当に大変なんだー。

ワンオペ双子育児をしながら、笑顔でいられる秘密

その日から、「お手伝いママ」が我が家に出入りするようになったのです。

ピンポンを鳴らしてもらっても、玄関を開けにいくのも大変なので、ドアはいつも半開き。

始めは、ドキドキそわそわでお客様な雰囲気のお姉ちゃんたち。

やがて、私の「これして!あれして!次これ!」の勢いに圧倒され、お願いしなくても動いてくれるように。


離乳食を口に入れ、おもちゃであやし、本を読んでくれ、最後には、お風呂上がりの着替えまで。

私はもちろん、一日の一番大変な午後から夕方に、お手伝いママが何人も来てくれるので大助かり。

お姉ちゃんたちは、ママに憧れもあるし、赤ちゃんもかわいいし、お菓子も食べられて大喜び。


やがて私は、毎日お姉ちゃんが来てくれる時間を楽しみにしていることに気付きました。

もしかすると、一番助けられたのは、人と話す時間を持てた私の心だったのかもしれません。


双子と二歳差の娘(三人ベビーカー、三人おむつの時代がありました。)をもつ私。

そんな私が、毎日お菓子を作って、心穏やかに過ごせたのは、紛れもなくお手伝いママのおかげなんです。


おそらく夫も、家に帰ると、心穏やかな妻と、寝る準備ができている双子と、毎日手作りお菓子が待っているのだから、自然と恩恵を受けていたはずです。

(三人分の布おむつだけは、洗面台にこんもりと積まれていましたが。)

何人ものお手伝いママが、入れ替わり毎日来てくれていた頃。保母さんの夢をもっていたあの子はどうなったのかな。

コミュニケーション能力を高める環境作り

そんな厚かましいことできない!と思いますか?

私の理想の子育ては、戦後の昭和時代の村社会であり、この時代の子育てから、学ぶことは多いと思います。


家の中だけでなく、近所にもたくさん目があり、みんなで関わり合いながら、みんなで次世代の子どもを育てる。

そこには様々な価値観があり、縦横斜めの人の交流があり、自然とコミュニケーション能力も養われたでしょう。


時代が進んだ今、家事は楽にはなったでしょうが、残念なことに人との関わりは少なくなってしまいました。

迷惑を掛ける恐れより、助け合いができる世界を

こうした日々は、私だけが助けられ、いい思いをしたわけではないと信じています。

お姉ちゃんたちは、家ではできない体験を小学生のうちに実体験することで、子育ての楽しさや大変さにも気づいたでしょう。


宿題を教えてもらったり、学校のあれこれや好きな子の話をしたり、時には親の不満をぶつけたり、確かに斜めの関係が、そこにはありました。

そして何より、

奉仕して感謝される

という経験は、学校の宿題で出る、「ボランティアをしよう」という、設定された課題を解決することとはまた違う、今の時代にこそ必要な経験だと思うのです。


日本人は、感謝の前に申し訳なく感じてしまったり、相手に迷惑を掛けるかもしれないと引いてしまったり、無理をしてしまう傾向があります。

それは美しい文化の一部かもしれませんが、時として、互いを息苦しくさせることになるかもしれません。


人に迷惑を掛けないことより、互いに助け合うことができる、自然に手を差し伸べ合うことができる世界のほうが素敵に感じませんか。

まずは自分から人に頼り、心から感謝をして、次はお返しをする。

その繰り返しで、人間関係は構築されていくものだと思います。

椅子に乗せて、スタイを付けて、ごはんを食べさせてくれるお姉ちゃん。これだけで大助かり!

日本の美徳が、世界で通用するとは限らない

アメリカは、本当にパッと人を助けるし、簡単に助けを求められる雰囲気があります。

日本では、「お手伝いしましょうか。」と声を掛けても、「あ、大丈夫です。ありがとうございます。」と、(申し訳ないから。自分でできないほどではないから。)と、断わってしまう場面も多い印象です。


アメリカで、「Can I help you?」と同じ声掛けをしても、一度も断られたことはありません。

「Thank you! So helpful!」と、素敵な笑顔で答えてくれます。

私は、受け入れてくれるほうが声を掛けて良かったと思えるし、自分が誰かの助けになれたことで、少しハッピーな一日になれます。


お姉ちゃんたちが手伝いに来てくれた初めのうちに、親御さんにご挨拶だけはしておきました。

「本当に助かっています。素晴らしい娘さんですね。」

とお伝えすると、親御さんも、とても喜んでおられました。

もし、少々の怪我があっても、お姉ちゃんの責任を問いてはいけません。それは任せた大人の責任。

お姉ちゃんも、気持ちよく来てもらえるように。そして、毎日最大級の感謝を伝えることが大切です。

お皿に入れたって、投げられるなら、初めから床で。一人を手を洗いに連れて行くうちに、もう一人が汚れた手で徘徊。ひー。

一歩踏み出すことで、少し楽になれるかも

もしかして起こるかもしれない、不慮の事故などを想像して、安全な空間を設定して、その中で一人で孤育てしますか。

相手に迷惑になるかもと想像して、聞いてみる前に、やめることを選んでいませんか。

私は、少々の思い違いや思っている通りにやってもらえなくても、様々な人との関わりの中で、子育てすることを選びます。

それが、私にとっても子どもにとっても、そして相手にとっても、豊かな時間になると信じているから。


助けてほしいときには、「しんどいー。助けてー。」 と声に出して、自分の望む環境に一歩ずつ近づけてみましょう。

同じ世代のお母さんと、「週に一度、2,3時間ずつ、互いの子どもを預けて自由時間を作る」こともいいかもしれません。

できない理由を探すより、できる方法を探して、自分もみんなもハッピーでいられる毎日を探してみましょう!

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