About the Author

元国立大学附属中高教員。心を育て、人と人をつなぐ教育プログラムを開発・実践。
2019年に渡米し、アメリカでNozomi Music Schoolを開校。
頭も体も心も、子どものもつ可能性を最大限に高めたい!!

実体験は、その子の頭と心の豊かさを最大限高めると信じています。

本やテレビ、インターネットから、様々な情報を得ることは簡単ですが、経験したものには敵いません。

百聞は一見に如かずーとは、よく言ったものです。

子どもと一緒に、新しい経験を楽しみ、色々なところに連れて行ってもらいましょう。

毎年やっていたタケノコ狩り。自然と、竹に注目するようになり、伸びていく変化を見ては驚いていました。

残念な結果になった「はやぶさ」乗車

日本では、大阪に住んでいました。

夏休みの旅行は、アミューズメントパークより、何かしら学びになる経験に、時間とお金を使っていました。

その頃、子どもが最も興味があったものは、電車の中でも特にはやぶさでした。

東京ー仙台方面で運行している、日本最速で走る新幹線。(当時の話です。)

子どもが、ずっと乗りたいと言っていたので、その夏のメイン旅行先(電車ですが)に選びました。

大阪からはるばる新幹線で東京まで行き、はやぶさに乗って、ついでに大宮の鉄道博物館に行こうと決めました。

子どもが、日本最速と言っていたので、私も何だかウキウキして、期待は膨らむ一方です。

いよいよ乗車!!


そこで、ケイタイ片手に、夫が小声でつぶやきました。

「大宮までは日本最速じゃない。」と。

「え?何?どういう意味?」と私。

どうやら、東京ー大宮までは、距離が近すぎて、そこまでの時速が出ないというのです。


320km/h(宇都宮ー盛岡)、110km/h(東京ー上野)、130km/h(上野ー大宮)


「ちょっと待って。大宮で降りるなら、特急レベルしか出ないってこと?」

自分たちの調べ不足に啞然としながら、いざ出発した憧れのはやぶさ新幹線。

期待で胸いっぱいの子どもたちに伝えることができず、黙っていましたが、外を見ると、明らかな遅さ。

普段乗っているJRや地下鉄と、あまり変わらない窓からの景色。

子どもは一瞬で気づき、事実を知って落胆。

残念ながら、次回へのお預けとなりましたが、私たちの本気(実体験をさせたい)想いは伝わったと信じたいです。

電車好きなら誰でも憧れる構図?ありとあらゆる電車に会いに行っていた頃。

絵本からもたくさんの実体験に繋げる

何も、こんな風にお金を掛けなくても(事実、結果価値のない出費となりました。)実体験はできます。

赤ちゃんの本から、果物や野菜、乗り物を実際に見せる、体験させる。

食べ物の本から、一緒に作って食べてみる。

自然に触れたり、工作してみたり、ほとんどのものは、身近なもので体験できるはずです。


我が家も、釣りや忍者体験をしたり、絵本で見たピクニックのお弁当を作ってみたり、要は子どもが、

これをやってみたい!

と、心がワクワクすることと、

できた!すごい!楽しい!

と、達成感を得られることを与え続けることが大事なのです。


後々、子どもの心に残っているのだと驚いた、うちでやってみた実体験は、商店街散策でした。

商店街の絵本を読んで、みんなで商店街に行ってみよう!と出掛けた先は、

日本一長いと言われる、全長2.6kmの天神橋筋商店街でした。

子どもたちは、おそらく商店街に行ったことがなく、専門店と言われても、ピンと来ていないようでした。

金物屋さん、刃物屋さん、豆腐屋さん、きもの屋さん、はんこ屋さん、結納専門店など。

私でさえ、あまり目にしたことがない専門店。

5年経っても、車で近くを通る度、「ここ来たやんな。」と話してくれ、子どもの心に残っていることが印象的でした。

(お小遣いを握りしめて、パンやアイスを好きなように買ったことのほうが、記憶に残るきっかけだったのかもしれませんが。)

そのついでに立ち寄った、「住まいのミュージアム 大阪くらしの今昔館」も、とてもいい経験になりました。

実体験をしたい皆さんにおすすめです!!

天神橋筋商店街。自分のお金で、自由に食べ歩きをした初めての記念すべき家族遠足の日。

子どもに見せたいものリストに対するアンテナ力

もちろん、本を読んでいたりして、これは見せたいけれど、すぐには難しいということもあります。

だけれど、大事なことは、頭の中の「見せたいものリスト」に残しておくこと。

そして、アンテナを張り巡らせておいて、情報を受け止める力を、ピーンと立てておくこと。


我が家でもありました。

ある年、読書感想文の課題図書で出てきた

「活版印刷屋さん」

これは、ハードルが高かったです。

だけど、どうしても子どもに見せたい、伝えたい。

するとなんと、その夏に出かけた旅行先の和歌山県で、たまたま見つけたのです!!

既に廃業しておられましたが、感動のあまり、思わず中に入れてもらって、見学させてもらいました。


京都の有名観光場所ももちろん素敵ですが、私は、街中にある、古い佇まいのお店にも目を光らせます。

竹細工のお店を発見し、作っておられるところを見学させてもらうことはもちろん、

厚かましくも、母屋の奥を見学させてもらい、竹をお土産に頂いたのも、いい思い出です。


その場所ならではの雰囲気やたたずまい、空気感や実体験を通して初めて、本の文章や、テレビのアナウンスを深く味わえるようになるのだと思います。

廃校となった学校で、版画を使った新聞作りを体験。大人でもとっても面白い!

国語の教科書(物語)の読解も実体験風で!

娘は、日本語が苦手。

英語の方が得意になっているので、日本の当該学年の教科書の読解は難しいです。

私がいつもやるのは、物語を読みながら、実際に娘と劇をしながら読み進めるということ。

「ごんぎつね」「山ねこおことわり」「モチモチの木」などの物語はもちろん、

「わたしと小鳥とすずと」「夕日がせなかをおしてくる」などの詩の理解にも繋がります。


「世界一の話」(北 彰介さん)をご存知ですか?

これも、ただ読むだけでは、意味が分からず(そりゃ青森弁だもの。)億劫に感じていた娘。

互いに、おおわしやえびになりきって、「バホラバホラ」と演じると、とても喜び大笑いで理解していました。


できるだけ自分自身の中に、あらゆる体験を落とし込むこと。

国語やらの成績だけでなく、きっと心をより豊かにしてくれると思います。

お出掛け先で見つけた、念願の機織り機。持ち手の木のつるっとした感触に感動。

大人こそ実体験を楽しもう

私は今まで、自分の興味ある範囲の中で、生きてきました。

それが、子どもをもつことで、自分の世界がググっと広がったのです。

今まで全く興味のなかった、子どもの興味の先になる釣りやスポーツなどに、新しい感動や喜びをたくさん教えてもらったのです。

実体験を通して、より人生が豊かになるのは、子どもよりむしろ私の方かもしれません。

いつもありがとう。

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